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2012年12月23日日曜日

特別報告「インド―目標はより高く」(エコノミスト2012.9.29)

特別報告「インド―目標はより高く」(エコノミスト2012.9.29)

―人口:12億950万人、1人あたりGDP:1329ドル(2012年3月)

通貨:1インドルピー:1.70円(2012.12.13)―

(主要なポイント)

・ インドの人口は若く(中位年齢:25歳、日本:45歳、中国:35歳)、2020年代半ばには、中国を抜いて世界第一の人口大国となるだろう

・ 経済成長はピークの10%から低下すると予想されるが、5%か3%か?(インドの経済構造は特異である(GDPベース)ー農業:20%、工業:20%、サービス業:59%、ただし農業は就業者数の半分を占める)

・ インドの政治家は根本的改革に積極的に取り組もうとしていない(次期総選挙は2014年半ばであり、80歳のシン首相は交代するであろう。ただし、次期首相の候補であるラウル・ガンジー(42歳)がなるかどうか不明)

・ 出現し増大する中間層がインドの政治と経済を変革できるか(中間層は新しいカーストだ?)

・ 内外からの投資をいかに促進するかが経済改革の鍵である

・ インド人の3分の2(8.3億人)が農村に居住しており、都市化して繁栄を拡大できるか(中国では、人口の半分が都市に住んでいる)

・ アジアの2大国であるインドと中国は、国境紛争問題を抱えるが、競争と協調関係にある。インド政府も従来の長期的な内向き政策から開放的な外交政策に転じつつあり、米国や西欧諸国、東南アジア諸国との関係を強化している。

・ インド人はこれまで、公共心に乏しく、他人に与える影響や環境問題などに配慮することは少ない。賄賂の授受や税金の不払いも当たり前。個人としての責任感に乏しい。これらは文化(カースト制度により人々が分断されてきた)、宗教、宿命論、巨大な人口の存在などが理由であろう

・ しかし、将来次第に豊かになり、教育水準も改善され、中間層の拡大などと民主主義の推進から、必要な規制、基準やルールが整備され、公共心も向上していくことになろう

① 目標は高く

・ インドの政治家はもっと大胆にならなければならない。大改革を行わないとインド

・ の将来はしぼんでしまう

・ 世界の人口の6分の1はインド人であり、間もなく世界最大の国になるだろう

・ 過去10年の高い経済成長の結果、リテラシー(識字能力)は急速に向上し、より多くの女の子が学校に行き、携帯電話が普及し、インド経済は2兆ドル規模に達し、世界第10位となった。

・ 若く(中位年齢:25歳)、人口増加が著しいので、2020年代半ばには、中国を抜いて世界一になると予想される。1人あたり所得が上昇し、農村の貧困も減少し、舗装道路が拡大し、ポリオ(小児麻痺)は根絶されるだろう。

・ 次の総選挙は2014年半ばに行われるが、マンモハン・シン首相は80歳なので政治の世代交代は必至である

・ 経済成長は、ピークの10%から5%程度にダウンするか?-世界経済は弱く、石油価格は上昇している(インドは石油の80%を輸入し、消費者に多大の補助を行っている)

・ しかし、国内問題も多いー外国人も国内の人々も投資を阻害されている、財政赤字は財務危機を起こしかねない、通貨ルピーの弱体、2014年を超えてインド政治・経済はさえない状況が続くか?

・ インドの政治家が統治を行っていない。政権は根本的改革を行おうとしていない。国会を支配する与党の「統合進歩同盟(UPA)は、低迷してきた。「改革に取り組まない首相」と「そわそわする王朝党首のリーダー:ソニア・ガンジー」は改革を阻んできた。

・ さらに、中央と地方の政府官僚は、英国殖民統治以来の保守的システムに安住してきた。「免許」による時代は終わっただろうが、インド経済はまだ政府によって支配されているようだ。

・ 政治家は今年の夏の大規模停電に責任を負うべきだーインド北部の6億人が2日に渡り停電を余儀なくされた。問題は石炭公社独占、国営鉄道、国営電力など。

・ インドの最初の経済改革は1991年の貿易収支危機からであり、今や第2の大改革が必要ではないか。

・ 外国からの投資は2011年の470億ドルのピークから今年は67%にダウンし、国内の製造企業も投資に熱心でない。IMF(国際通貨基金)」によると、インドの財政赤字はGDPの約9%に達すると推定されている。

・ 外国からの投資を促進するためにはどうすべきか。外資のスーパーの設立を容易にするか、国内航空会社の買収を可能にするか?こうしたら政治的嵐をもたらすか。

・ 政治家は、大胆になることは望んでいない。経済成長の条件や年金改革を訴えた政党は2004年選挙で負けてしまった。

・ 腐敗とスーパーリッチ(億万長者)に対する民衆の怒りは高まっており、市場改革に関する疑問とが一緒になり、インドの政治家は改革に積極的でなくなっている。

② 政治の変革

・ 全国政党が弱体化し、地方が強くなり、投票者の行動と腐敗がインドの政治を変えつつある

・ インドの政治を予測するのはリスキーだ。投票者がそれを支持するとは限らないからだ。都市の投票者は急速な経済成長を望み、農村は新しい福祉手段を期待する。

・ インドの政治は大きく、騒々しい。数億人の投票者が様々な背景と意見を持ち、市町村レベル、州レベル、全国レベルにわたり、選挙戦を戦う。

・ 次の国政選挙は2014年であるが、シン首相は、以前は清廉潔白のモデルであったが、今ではインド独立以来最も腐敗した政府を率いると言われるようになっている。彼の唱える改革は人々から支持されそうにない。

・ ラウル・ガンジー(42歳、ガンジー家の首相たちの息子、孫、ひ孫である)は党を率いると予想されているが、彼が何をしたいのか、あるいは党や政府を果たして率いることができるかどうか、誰も知らない。誰も彼や母親のソニア・ガンジー(党の総裁)に聞いたものはいない。ただし、ほかに若いリーダーになるものはいないようだ。

・ ガンジー王朝は議会を押さえてリーダーシップを発揮してきた。しかし、地方の王朝が権力と富を強化して、州レベルを超えて上昇しつつある。ガンジー家は地方の基礎を欠いている。「インドでは、ガンジー家族はもはや要らなくなりつつある」

・ 州レベルの政治で学んだ教訓は、政権政党が定期的に交代することにより、ベストな結果を生じてきたことだー公共サービスが改善され、その他の社会的レベル(識字能力、女性の地位の向上、幼児死亡率の低下など)も良くなってきた

・ 地方政党がギャップを埋めている。通常、カリスマを持った者が州の首相となり、外国であれば一国に匹敵する人口と地域を大統領並みの権力を振るって支配する。州がインド全体の公的支出の半分を占めている。州の首相の中に3人の女性がおり、合計で6億人以上に達する。

・ 一部の投票者は、古い政治的枠組みから離れようとしているームスリム(イスラム教徒)、ヒンズー教徒、カースト制など)

・ 新しく出現したグループは中間層の投票者であり、特定のグループに対して行う報酬でなく、実績によって投票する政党を選択する。多くは若く、都市に住み、移動し、民間に勤め、ケーブル・ニュース、ソーシャル・メディア、携帯電話などでよりよく情報を得ている。今は、少数派だが、2014年には1億人の投票者となるだろう。「若いインドはよき政策を求めているー良い仕事と教育」「中間層は、新しいカーストだ。インドの政治で最も喜ばしいこと」

・ インドは今や365個の衛星チャンネルがあり、多くの都市ベースのケーブルテレビがあり、腐敗などの全国レベルの報道に対する広範な反対運動を生み出している

・ インドは、コモディティ・ブームと閉鎖経済から開放経済へのシフトにより、不均衡も拡大している。「我々は財閥を作り出している」「政党に対する監査制度がない」

・ インドで行われている投票は概ねクリーンで正直であるが、キャンペーンの費用は高価であり、汚い。あらゆるものが大きい。衆議院議員の選挙は、平均100万人の投票者が対象となる。

・ インド経済が、政治家が公共財を割り当てるシステムからシフトするようになれば、政治もよりクリーンになるだろうが、それには時間がかかるだろう。

③ 経済-急行(10%の成長率)かストップ(3%)か

・ インド経済は過去10年急成長してきたが、以前の低成長レベルに戻りつつある

・ インドの汽車はゆっくり動くので、様々な乗客を観察できるー病院に通院する、仕事に行く、学生、外国人、地方の人々

・ インドでは、人々は米国と同様に国中を自由に移動できるーこれは中国のように農民が土地から離れると罰せられる国よりベターだ

・ インド人はよく連絡できるようになっている。4200キロの列車移動で615の中継ステーションで携帯電話の信号はどこでも接続される。10年前は9%であったが、今や63%の家庭が電話、普通は携帯電話を持っている。インド人の4分の3は携帯電話でアクセスできる。また、インドの2億4700万世帯(総世帯の3分の2)は電力、半分はテレビにアクセスし、自転車も持っている。自動車は5%に過ぎないが。

・ ある証券会社レポートでは、2010年に4億7000万のインド人が年間収入1000-4000ドルであったが、今後10年で5億7000万人に増加すると予測している。すなわち1兆ドルの市場が創出されることになる。

・ インド経済の成長が今後どうなるかー急成長するとオーバーヒート(過熱)する可能性がある(高いインフレ、食料価格の高騰、道路・港湾・鉄道が一杯になり、停電が常態化し、労働コストが高くなる)

・ インド輸送公社によると、デリー・ムンバイ間(1380キロ)の道路輸送は殆ど3日間かかる(時速21キロ)交通量は年率11%で伸びるが、道路網は4%で拡大しているにすぎない。

・ インドはエネルギーと鉱物を浪費している。1つの対策は石炭の配分の規制緩和だ。巨大で非効率な国営独占の「インド石炭公社(コール・インディア)」の分割民営化など。国営企業はGDPの4%を占めるにすぎない。(中国は3分の1)

・ しかし、インドの政治家は事態を改善する改革に熱心ではない。

・ 貧困救済のための福祉支出はGDPの2.5%であり、大きいシェアではないが、急速に増加している。シン首相の最初の内閣では1.6%に過ぎなかった。

・ 雇用構造の問題―インドは、多くの東アジア及び東南アジア諸国と異なる構造となっている(農業は、労働人口の半分を占めるが、GDPの20%弱となっている。サービス業はGDPの59%、工業が20%程度を占める)

・ 製造業はGDPの15%にすぎず、1960年代と殆ど変わっていない。他の分野と同様に、インドの強固な官僚制度とひどいインフラによって被害を受けている。インドの労働コストは高く、労働法は制限的である。中国の賃金が高まるに伴い、バングラデシュなどの国は移動の対象になるであろうが、労働争議などの問題から、インドはならないだろう。 ・ 製造メーカーは、インドにおける弱いルピーから輸出業者に魅力的となっている。また、インド自体の市場の拡大も魅力となるだろう。しかし、インドの製造業が近い将来大きく飛躍する兆しはないといえよう。

・ サービス業を拡大するためには、インドは大量の熟練労働者が必要となる。

④ 教育―10億人の頭脳

・ ある調査では、インドは2010年で400万人必要な土木技術者が50万人しかおらず、37万人必要な設計技術者が45000人しかいない。

・ 熟練技術者の不足は建設産業だけでない。地方の教育が極めてひどく、また、有能なスタッフを見つけてもすぐ転職してしまう。

・ 一般的に、識字能力があり、訓練され、労働につける人々が不足している。全国の識字率は1991年の52%から74%に向上したが、その後はあまり進捗していない。

・ 教育に関心がないわけではない。新聞の結婚広告では、花嫁・花婿候補は年齢、ルックス、カーストの前に、学歴を述べるものもある

・ 推定では、インド人の40%は私立教育を受けている。また、教育費は生計費の7.5%を占めており、これは中国、ロシア、ブラジルより多い。教育は繁栄への近道だと考えられている。「両親は、教育費に使いすぎだ」

・ 140万の学校のうち約50万が私立であり、3億人の生徒を有する。学童期の子供の97%が登録するが、半分以上が中学校を卒業するまでにドロップ・アウトする。授業の質は様々であり、低いカーストの子供たちに対する差別、教師に対する賄賂など。多くの私立学校は役に立たず、価値のない資格をもらっているようだ

・ インドの国際競争力を高めるためには、学校教育の後の職業訓練やより高い教育である。インドは、2010年代末に25-34歳で2400万人の卒業生を出し、世界の12%を占めると予想されている。インドの高等教育機関の数は26500であり、世界最大である。現在1500万人が登録しており、同年代の人口の14%を占めている。政府は、2010年代末に30%の登録率にしたいと推進中である。学生数を4000万人とするためには、2000億ドル必要になると推定される。

・ インドは、毎年50万人以上の工学部の卒業生を出しており、これはインドの強力な強みとなっている。ただし、学生のうちの雇用可能数は2011年の55000人であり、更なる訓練をしないと3%ぐらいしかIT企業ですぐ使えない。

⑤ 都市―コンクリート・ジャングル

・ インドは主として農村の国であり、来る都市ブームに良く備えているか?

・ 首都デリーの西部のある町は狭い貧弱なレンガの家が並び、ハエが下水の上を飛び、水道がないので、毎日55個のタンクで生活用水が供給される。一部の家にトイレがあるだけ。周辺の地域には50万人のスラム居住者がいる。

・ インドの都市は、多かれ少なかれ、魅力に乏しく、ごちゃごちゃしている。1つの理由は、インドの大半が農村だからである。総人口の3分の2の8億3300万人は64万の農村に住んでいる。農村の投票者は政治的影響力が強いので、多くの公共支出が行われている。農家は補助されたディーゼルを利用してポンプを使い、政府は多くの小麦と米にインフレ化した価格を支払い、それを村の人々には安く分けている。これらは移住を阻害し、また、多くの州で腐敗を促進している。州で管理する食料の44%が「漏れている」と見られている。

・ 村民は、特に低いカーストの人々、女性、宗教などのマイノリティにとってしばしばハードである。村は通常、学校、医療、非生産的労働の場所となっている。

・ 都市化が遅れることは、繁栄も遠のくことである。農家が土地を捨てて工場やコールセンターなどで働くと、殆どの場合、収入と消費が増える。中国では、人口の半分は都市に住んでいる。

・ インドの100大都市に総人口の16%が住み、国民所得の43%に寄与している。スラム居住者もしばしば生産的な製造業や商業に従事している。都市居住者は、現在3億7700万人であるが、毎年500万人ずつ増加している。歴史的に見ると、都市人口の増加は、移住というより自然増によるものである。将来、都市の魅力が増大すると、都市人口がより速く増加し、2050年には倍増するであろう。

・ 幾つかの都市センターは「メガシティ」となり、インドの西部沿岸地域は1つの大都市圏になり、内陸のデリーとその周辺地域は人口6000-7000万人のハブとなるであろう。20年以内に、インドではニューヨークより大きい6大都市圏を持つことになろう(少なくとも1000万人以上)アーメダバード、バンガロール、デリー、ムンバイ、ハイデラバード、チェネイ

・ 既に100万人以上の都市が53ある。幾つかは改善されているが、多くは雑多でうまく運営されていない

・ 2031年には、インドは10万人のプロフェッショナル(設計、工学など都市計画)不足すると予想されている。

⑥ インドの対外関係-余分な装飾はなし

・ インドの対外政策は、質素で、穏当で、一般的に賢明である

・ インドの外交政策は、スローで注意深く行われる

・ 政府は、対外問題を重視していない

・ インド経済は、以前より世界経済と一体化しており、外国貿易はGDPの43%に相当する。20年前は16%にすぎなかった。2011年の貿易総額は7940億ドルであり、特に武器輸入では世界一であり、10%のシェアを占めている。インドは長い間、援助の受入国から急速に供与国に転換している。一方、エネルギー、鉱物、商業的利益をアフリカ、中央アジアなどの展開している。国際グループにも積極的に参加しつつある

・ インド外務省には800人の外交官しかおらず、これは中国の5分の1にすぎず、小さなシンガポールと同じである。デリーの一つの機関が19人の中南米の大使に対応している。水資源や気候変動などの厄介な問題で近隣国と交渉するスタッフは少数である。ダイナミックな企業は政府の援助なく、新しい市場の開拓に取り組む必要がある。ところが、中国の国営企業は安価な信用を利用し、外交により支援されている。(外交官1人当たり人口1000人―米国:16、ドイツ:12、フランス・英国:10、日本:23、中国:321、インド:1341、シンガポール:6)

・ 「インドの国家は、65歳であらゆる点で太りすぎている」ー国境守備隊、関税官吏、外交官、兵士などが少なすぎる。石炭や鉄鋼省に人が集まりすぎている。数十年の内向き状況から、ようやくパキスタンを越える外交問題に取り組み始めた。

・ しかし、中央政府が外交政策をどれだけ掌握しているのか疑問を呈するものがある。州政府が中央政府と違う動きを示す事例があるようだ。

・ 外交政策の関心―米国、中国、近隣地域

・ 対米関係―インドと米国は、巨大で、高価な、宗教的、物質主義的、厄介な民主主義国で、中央政府が強力な地方政府と対峙するという共通性がある。米国は今やインドの武器の最大供給者であり、数百億ドル規模の契約となっている。両国の関心は融合しつつあり、アフガニスタンなどで協力している。インドは、パキスタンを穏健に維持するために、米国にパキスタンとの関係を維持するよう求めている。米国は、インドとの結びつきを重視するようになっており、インドは西欧との関係をより強化している ・ 中国の台頭―中国とインドは結びつきを強化しつつある、特に貿易において。ただし両国は互いに競っている。両国間の貿易は、2000年の29億ドルから2015年には1000億ドルに拡大すると予想されている。また、インドは軍隊の国内の移動性を急速に高めていると指摘されている(10年前に北東地域における紛争国境への移動に2ヶ月かかったが、現在道路の改良により2週間ですむ様になっている)

・ とりわけ、ミャンマーで両国は影響力とエネルギー供給に関して競争している。また、インドはチベットやダライ・ラマ(インドに住む)に関して中国がトラブルを起こさないか懸念している。インド・中国国境で未解決の紛争があり、これは50年前にインドが失った屈辱の国境である。インドは、より強力な戦争抑止力を望み、核搭載可能な長距離ミサイルのテスト発射を行ったが、これは中国の大都市を攻撃可能である。また、国境付近の兵士や航空機を増加している。

・ インドはさらに米国や民主主義国との関係を強化しており、オーストラリアはインドの各プラントにウラ二アムを売却することを発表している。インドは、南シナ海における石油採掘事業にも積極的になってきた。また、インドは日本からの援助と投資の大受け取り国である

・ 周辺地域との関係も改善されつつあり、シン首相はパキスタンがインドを攻撃するテロリストにより厳しく対応するか、貿易の開放でインドの請求に答えれば、パキスタンのパンジャブに自分の誕生日に訪問してもいいと述べている。インドは、国境インフラを改善し、非関税障壁を緩和した。

・ インドの外務省は弱体であるが、以前より改善して運営されるようになっている。インドの外交は、装飾はないが、少なくとも明確な目標を持っている。

⑦ 一般の人々の悲劇―上り坂

・ インド人は豊かになり、教育も改善されたが、もっと公共心を持つべきだ ・ カシミール地方はヒマラヤの麓にあり、氷河のある湖や雪の山頂、広大な緑の原野など素晴らしい展望であるが、パキスタン国境でインドの数千人の兵士が毎夏歩き回って荒し、最近では、観光客が100万人訪れ、道路が混雑し、建設ブームとなっている。

・ カシミールは、インドの残りの地域と同様になりつつあり、豊かでより平和的になってきたが、次第にスポイルされるようになっている。国土の多くの部分も同様である

・ 10年以上前に、50年間に及ぶ急速な人口増加が、環境の悪化をもたらすと警告された。90%の村民が大気汚染に悩まされ(調理中に煙を吸い込む)、都市住民の3分の1もそうなっている。土壌の悪化により農業不適を生じている。そのほか、水不足、川の汚染、地下水のレベルの急速な低下など

・ デリーは、北京と並ぶ地球上で最も汚染された都市のひとつとなっている。

・ ガンジス川は、ヒンズー教徒によって「聖なる川」と考えられ、多くの人々が水浴しているが、製紙工場などの工業・産業廃棄物、化学物資が流れ込んでいる。農家も肥料を捨て、人間の廃棄物も肥大する都市から排出されている。これらは殆ど適切に処理されていない。

・ 成長する経済に対して、規制するルールが少なく、この種の問題を生じている。しかし、インドでは、公共スペースや周辺の自然界に対する義務の感覚が共有されていない。ごみが散乱し、私的資産を公共の土地に拡大し、安全性や環境を損なっている。「一般の人にとって、悲劇的だ」「誰もがそれは他人の仕事だと考えている」

・ ただし、豊かになるに従い、盛んな民主主義が事態を改善するようになるかも知れない。中国のように。しかし、公共財に対する関心を高めるのは容易でない。その理由は、文化(カースト制度により人々が分断されてきた歴史)宗教、宿命論、何よりも圧倒的な巨大人口。

・ 他人に対する配慮のなさは至るところにあるードライバーは赤ランプでも走る、列車に飛び乗る、腐敗も至るところ、賄賂の授受は当たり前、税金も支払わない

・ このような配慮のなさが残っていると、環境問題についても思い浮かばないだろう

・ 「人々は政府が解決してくれると考えている。これはどこでも同様であり、我々には、個人としての責任感はない」 ・ 利他主義の考え方は乏しいーインド人は臓器提供では世界最低の部類であり、富裕なタイクーン(大金持ち)でも慈善活動には熱心でない

・ しかし、事態は変わりつつあるーインド人は宿命論から脱しつつあり、腐敗に対する抗議活動、革新的アイデア(賄賂の詳細を掲示するウエブサイトの出現など)

・ 危機が増大すると(環境、テロリスト、経済的、政治的など)、インドのリーダーと一般の人々寛容とオープンさという価値観を発揮するだろう。インドにおける最近の流行語は、「革新の精神」である。今後5年間はややこしいかも知れない。最近の高い期待はトーンダウンするかも知れない。

・ しかし、将来インドは思い切った飛躍を遂げるかも知れない。強固な成功は、標準が確立し、家庭や都市、学校教育、スポーツなどあらゆる点で品質が改善される時に始めて可能である。そのためには、機能する制度、より責任を持った個人、決定できるリーダーが必要である。一般のインド人も次第に貢献するようになるだろう。わいろを拒み、税金を払い、起業家のように富を蓄積し、環境を大事にするなど。厄介な変革だが、歓迎すべき変革だ。

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