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2017年10月19日木曜日

「定年後-50歳からの生き方、終わり方」(楠木新、中央公論社新書)まとめby Nobuki Hori(堀伸樹)

「定年後-50歳からの生き方、終わり方」(楠木新、中央公論社新書、 2017円4月、著者は1954年生まれ、「会社が嫌いになったら読む本」、 「サラリーマンは、二度会社を辞める」、「知らないと危ない、会社の裏 ルール」など好著あり)

― 日本社会では、「定年」制度があり、1000人以上の会社では、9割の社員は「60歳」、6%程度の社員は「65歳以上」になると辞めなければならない、60歳で引退するのは早い、定年制度は終身雇用と年功序列賃金に基づくものであり会社として経営を維持するために必要となっている、しかし自営業では定年はない、定年後も継続雇用制度(再雇用)を適用している場合もある、ただし、勤務条件は通常かなり低下する、前期高齢者(65-74歳)と後期高齢者(75歳以上)ではライフサイクルが異なる、定年の60歳から74歳までの黄金期間をどう過ごすか、自由時間が増えるので趣味を持つ、米国では定年制はない(雇用における年齢差別禁止法)、定年後はお金が一番心配、イキイキした人は2割未満、高齢者のトリップ(移動)は10年で2倍、誰もが一人ぼっち、悠々自適は75歳以上の後期高齢者で、「亭主元気で留守がいい」、経済優先から人生優先へ、日本人の平均寿命―男:80.5歳、女:86.8歳、退職後も社会と間接的につながる、在職中に専門性を磨く、高齢者の定義を現在の「65歳以上」から「75歳以上」に変えてはどうか(65-74歳は「准高齢者」)、高齢になっても社会の一員として生きる、定年後の目標は「いい顔」で過ごすこと ―

① 人生は後半戦が勝負

・ 自由にできる8万時間

・ 75歳までの「黄金の15年」

・ 50代からの助走で大丈夫

・ 「いい顔」で死ぬために

・ 終わりよければすべて良し

・ 定年後に待ち受ける「現実」を明らかにし、真に豊かに生きるためのヒントを考える

② 経済的な余裕だけでは足りない

・ 某氏は、高校卒後同じ会社で40年働いて、60歳以後も働くつもりだったが、定年退職の数ヶ月前に、会社から、週3日の勤務で、労働時間は週に20時間という条件を示されて、驚いた

・ 特に、嘱託のため社会保険が付与されないことに驚いた。

・ 彼の会社では、60歳以降に雇用延長する社員を2つに分けて、上位層には給与は下げてもそれなりの対応をするが、そうでない社員は社会保険が付与されない嘱託扱いとなる

・ また、仕事の内容も、店舗の応援要員で仕事の繁簡や社員の休暇で働く場所が変わった

③  ライフプラン研修とおりにはいかない

・ 社員が50代になると、定年後に向けて社内で「ライフライン研修」が少なくない。労働組合がセミナーを主催していることもある。内容は以下の4点であろう

・ 受け取る年金額をきちんと計算して老後の資産を管理すること

・ 今後長く暮す配偶者と良好な関係を築くこと

・ これから老年期に入るので自分の体調面、健康にも十分に配慮すること

・ 退職後は自由な時間が生まれるので趣味を持たなければならない

・ 多くの会社の就業規則では、定年は60歳であり、まだまだ体力、気力、経験もあって、引退するには全然早すぎると言えるだろう

・ 対象者は、これから社会人になる新人社員でなく、40年近く組織で働いてきた人間なのである

④ 全員が合格点

・ 定年制を定めている1000人以上の企業の割合は95.4%、「60歳」とする企業が90.4%、「65歳以上」が6.7%である。全体としてはほぼ60歳となっている(就業規則に記載されている)

・ 定年年齢も55歳から上昇して、1998年(平成10年)以降に60歳定年制が義務化された。

・ 定年制度は、おかしいという見方がある―60歳になったら強制的に会社を辞めなければならない。60歳は引退するには早すぎる。働く意欲と能力がある人を一律にやめさせることは合理的ではない。今後の高齢化社会を考えると、社会的にも損失であろう」

・ 個人の自立的人生設計のために、定年はなくすべきだ

・ 自営業では定年はなく、米国においても「雇用における年齢差別禁止法」によって、年齢を理由とした雇用差別は禁止されている。「定年は当たり前の制度ではない」

・ 当たり前ではない定年制度が、個々の社員の意欲に合致せず、人材活用の面からも合理的でなく、社会経済的の問題があるにもかかわらず、当然のように運用されてきたのか

・ 企業も、60歳以降でも働く社員にどういう仕事を付与するかも各社で検討されている

・ 定年を必要とする理由は企業内の年功的な賃金体系によるものであり、給与が、社員が若いときには、貢献度より低い賃金を払い、中高年になるとその差分を追加して支払っている。この結果、定年が必要になってくるというものである

・ また、定年までは解雇されないという雇用保障の側面がある

・ 働いている間は、自分のライフステージとキャリアステージの両方を会社が面倒を見てくれたが、定年以降はそれらが全く期待できなくなる

⑤ 定年後の雇用延長

・ 2013年に改正高年齢者雇用制度が施行されて、企業は3つのどれかを選択しなければならなくなった―定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止

・ 大半の会社は、雇用継続制度(再雇用)の導入で対処している

・ ただし、定年前の勤務条件が延長されるわけではない―役職はなくなり、契約も一年後との業務委託契約となり、報酬も大幅に削減されたりする。定年前の3割水準という場合もある

・ 仕事も補助的な作業や、単純な作業を割り当てられることもある

・ お金のことが一番心配―老後の生活の不安、「老後破産」医療費や介護の心配

・ 年金財政と同様に、介護保険の収支もきびしくなっている

・ 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(2016年)-夫婦2人の老後日常生活費:月額22.0万円、25年間で6000万円、65才以上になって受け取る標準的な厚生年金額:22.0万円(これに退職金や企業年金などを加えると、最低限の生活費は何とかなるだろう)

・ 投資のリスクには注意―安全性を前提に分散投資をしてはどうか

⑥ イキイキした人は2割未満?

・ 「半年経つと立ち上がれない」-定年退職後の生活のリズムをいかにつけるか(会社を退職した当時は、開放感は予想以上だった)

・ 曜日の感覚がなくなる、手帳を見ることが少なくなった

・ 36年間の会社生活を終えて、定年で退職したが、開放感は残っていたが、同時に会社からの拘束や仕事上の義務などの中に自分を支えていたことがあったことに気がつき始めた。

・ 会社員は自分で工夫しなくても、会社が自然と「オン」と「オフ」のスイッチを切り替えてくれる―始業、昼休み、終業のチャイム、同僚と一緒のランチなど ・ 退職に伴い、36年間の生活リズムが崩れだし、遅く起きる生活習慣に移行する。一方、学生時代は宵っ張りの生活だった ・ 退職した後も、会社員当時の夢を多く見るようになったのは不思議な感じだった。

・ 名前を呼ばれるのは、病院だけ―家族からは「お父さん」と呼ばれ、電話やファクスも自分宛には来ない

・ 同じ通勤電車、同じ仕事、同じ同僚、変わらないランチ、それをあと5年も続けることが嫌になり、定年退職を選択したが、それらが懐かしくなってきた

・ どのような人が、「いつ」、「どのような目的で・交通手段で」「どこからどこへ」移動したかについて行った「パーソン・トリップ調査」によると、男性の「自宅-通勤」は、25歳~59歳までは27%から31%でほぼ変わらないが、60歳~64歳では20%、65歳から69歳では11%と激減する。定年退職の影響が表われている。女性では、「自宅-通勤」は、25歳から29歳で26%と最も高く、30歳から59歳までは15%~19%となっている。60歳から64歳で10%、65~69歳で5%と激減する

・ 高齢者(65歳以上)のトリップ数は2008年には10年前に倍増しており、高齢化社会の進展がうかがえる

・ また、調査では、非高齢者の代表交通機関は鉄道であるが、高齢者では自動車などに取って代わられる。仕事を辞めた高齢者が自宅近くで活動する例が多いのだろう

・ スポーツクラブは大盛況―住宅地域に近いターミナル駅にあるスポーツクラブは、開館の9時には長い行列ができる。男性、女性を問わず高齢者が並ぶ姿は壮観だ。午前中は高齢者が中心となっている。午後になると、主婦など女性が見えるようになり、夕刻以降は仕事帰りの若い男女が目に付く

・ 一方、図書館では、開館後、高齢者の間で読みたい新聞の取り合いになったりする

・ ショッピングセンターなどでも、高齢の男性が増えている

⑦ 定年退職者を探せ

・ 証券会社は、投資運用や相続税対策などで相談するために、多くの年配者が訪れていた

・ 60歳過ぎの定年退職者は、まだ若いそうだ。

・ 昼間の映画館やカラオケ店でも1人で来る男性が多いようだ。理髪店でも10時開店直後は高齢者の男性が多い

・ 誰もが一人ぼっち―定年退職者の特徴(退職後の「居場所がない」)

・ クレーマーは元管理職が多い―多分、退職後の高齢の男性が店の店員などにクレームをつけている場合が多い。その場合、苦情を言うのは元管理職が多いようだと推定される

・ 60代の高齢者の話―「元気な人は同期の1割5分」元気な人は、教育関係に取り組んでいる、若い人に役立つことをやっている、若い頃の自分をもう一度取り戻している、会社以外の仕事にかかわってきた

・ 悠々自適は似合わない―退職で自由になった時間をどうすごしていいかわからない人は少なくない。「毎日やることがなくて困っている」、一番自由な今が一番しんどい」、「家で居場所がない」、「暇になったのにあせる」、「嫌な上司もいないよりマシ」

・ 「このままの毎日が続くと思うと、「自分の人生は何だったのか」と思うことがある」

⑧ 亭主元気で留守がいい

・ 日本人男性は世界一孤独?-仕事以外の日常生活において、友人や同僚とスポーツや教会、文化的サークルや活動に参加した経験に関するOECD調査によると、日本人男性の場合、「殆どない」が17%で一番高い部類となっている(OECD平均:7%)

・ 日本人男性は、定年退職とともに仕事だけでなく人間関係も失うことになる―「定年後、日本人男性は世界一孤独となる」

・ 退職後は、名刺も役に立たなくなる

・ 会社は天国?-60歳で退職して引退するのは少数派だ。会社に行けば、人に会える、昼食を一緒に食べながらいろいろ情報交換できる、若い人とも話ができる、出張は小旅行、接待は遊び、歓迎会、送別会など。遊び仲間、飲み友達もできる、会社のお金でゴルフもできたりする、規則正しい生活となる。上司がしかってくれる、会社は家以外の居場所となる。

・ 家族が手を焼いている定年退職者は少なくないようだ―妻にあれこれ言ったり、テレビも独占したりする

・ 主人在宅ストレス症候群―夫の在宅によってもたらされるストレスが主な原因となる主婦に発生する様々な疾患(うつ病、高血圧、ぜんそく、十二指腸潰瘍、キッチンドリンカーなど)

・ 経済優先から人生優先へ

⑨  「黄金の15年を輝かせるために

・ 役職と定年後は相関しない―

・ ライフサイクルで考える―「論語」の中で、孔子は「15歳で学問を志し、30歳で独り立ちし、40歳で迷うことがなくなり、50歳で天命を理解し、60歳で人の意見を素直に聞けるようになり、70歳で思いのままに行動をしても人の道を踏み外すことがなくなる」

・ 定年後は3段階―平均寿命、平均余命、健康寿命

・ 厚生労働省による2014年の平均寿命―男性:80.50歳、女性:86.83歳(男女とも毎年少しずつ伸びている)

・ 60歳の男性の平均余命:23.56歳(85歳前まで)、女性:28.68歳(90歳近く)

・ 健康寿命(健康で活動できる期間)―男性:79.55歳の平均寿命に対して70.42歳(不健康期間:9.13年)、女性:86.30歳に対して73.62歳(12.68年)しかし、健康期間はもう少し長いのではないか

・ 男性の3つのパターンー2割弱の男性は70歳になるまでに健康を損ねて亡くなるか介護が必要となる。7割の男性は75歳頃から徐々に自立度が落ちていく。残りの1割の男性は90歳近くまで自立を維持する。女性は9割近くが70歳半ばから衰えていく、男女とも後期高齢者に該当する70台半ばから徐々に自立度が落ちてくる

・ 従って、「65-74歳の前期高齢者」と「75歳以上の後期高齢者」とは、ライフステージが変わると言っていい

・ 「日本老年学会」は、2017年に、高齢者の概念を75歳以上に見直し、65-74歳は「準高齢者」と変えるように提案している

・ 本書では、「定年後」は60歳―74歳までを主な対象としている

・ 身体が健康であれば自分が目指すものに挑戦し、悠々自適は75歳以上の後期高齢者になってから考えたらどうか

・ 本当の黄金期間は定年退職後の60-74歳までの15年間だ―8万時間(11時間×365日×15年)

⑩ 社会とどうつながるか

・ 「重い夫婦、軽い夫婦」―クルーズツアーに乗っていたある奥さんは夫と一緒は耐えられないという感じだった。軽い夫婦の夫は、まだ組織で働いているとか事業をしていた。重い夫婦の夫は会社を退職して家でゆっくりしている人が多かった

・ 社会と間接的につながる―会社員は、会社を通じて社会と間接的に向き合って、書類を作成するなどして、給料をもらっている。一方、個人事業主は直接社会とつながっている。

・ しかし、退職すると、社会とのつながりがなくなってしまう。ただし、このことを認識している人は極めて少ない。

・ ニーズがつかめない―在職中に専門性を磨いておくことが、退職によって社会とのつながりがなくなることに対する唯一の対策だろう。

・ 定年後の60歳から74歳までは、自分自身を縛るものが少なく、活力を持って動ける「黄金の15年」である。人生後半戦の最大のポイントであり、自分らしいものを見出したい。

⑪ 定年退職後の仕事の例

・ メーカーの部長職→美容師

・ 生保会社の部長職→保健分野の大学教授

・ 総合商社の営業マン

・ 鉄鋼会社の社員→蕎麦うち職人

・ 電機メーカーの管理職→高校の校長

・ 小学校教師→市議会議員

・ 損害保険会社の社員→トマト農家

・ 市役所の職員→大道芸人

・ 薬品会社の人事担当役員→セミナー講師

・ 石油会社の社員→翻訳家

・ メーカーの営業マン→墓石販売

・ 通信会社の社員→提灯職人

・ スーパーの社員→NPOの職員

・ 地方公務員→ 耳かき職人

・ 得意なことに軸足を移す

・ 「60歳から始める小さな仕事」-古本屋、蕎麦屋、パン屋、リフォーム店、葬儀屋、役者、僧侶、漁師、タクシー運転手、通訳・翻訳家、花農家など

・ 定年後に仕事をしたい人は、会社にいる40台ぐらいから、市場調査をしたり、商売のやり方を考えておく必要がある。会社員人生の後半である40代後半や50台から助走を始めるのが、スムーズな定年後につながる

・ 子供の頃の自分に立ち返る―小さい頃からものづくりが大好きで、手作りの模型飛行機などを作っていた電機メーカーの社員が、定年後の「リフォーム屋」で優れた仕事をしている例がある。

・ 会社員のときに身につけた知識や技量を定年後に生かす

・ 高齢になっても社会の一員として生きるようにしたい

⑫ 居場所を探す

・ 「定年退職後は、自分の活動の場、居場所は地域になる」ーこれは、定年後のことを頭でしか捉えていない

・ 例えば、停年退職者どうし農園で協力しながら、農作物を作るなど

・ 同窓会に出ると、脳が活性化される―50代になると同窓会が増えるが、昔の記憶をよみがえらせるので。また、会社以外の世界を知る機会となる、

・ 「居場所」―地域での活動、都市の中での農園での活動、大学院での学び、田舎に帰る、など。自分で見つける

・ 家族はつらいよ―「お父さんと居るのが私のストレス」、家族も年を取る

⑫ 「死」から逆算する

・ 定年後は逆算型生き方

・ 還暦のときに行われた高校の同窓会では、すべてのクラスで物故者がいた。定年後に何が起きても不思議ではない

・ 「生が終われば死も終わる」

・ 60歳の定年退職者は「元気で働ける年齢を74歳」とするなら、また、「残りの人生が30年あるなら」、死を意識してそこから逆算して自分の未来を考える

・ 「最後に食べたいもの」―最後の昼食は豚マン、「お袋のおにぎり」(ジャイアント馬場)

・ 「良い顔」で死ぬために生きている―定年後の目標は「いい顔」で過ごすこと。

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